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このように、コール・オプションの買い手の満期時の損益(ペイオフ)は図151@のように表される。
これに対し、このコール・オプションの売り手の損益はどうなるであろうか。
満期時に、株価が行使価格100円を上回っていれば、オプションは行使され、売り手は「市場価格一行使価格」だけ損失となる。
もし、株価が行使価格100円以下であれば、オプションは行使されないので、損益はゼロになる。
このように、コール・オプシヨンの売り手の満期時の損益曲線は図151Aとなり、コール・オプションの買い手の損益曲線と上下に対称になる。
ここで、注意すべきことは、オプションの買い手はオプションを行使するかどうかを決める権利があるが、オプシヨンの売り手は買い手の決定に応じて、原資産の売買をおこなう義務があるという点である。
次に、プット・オプションの満期時の損益をみてみよう。
ある株式を行使価格100円で売却できるプット・オプションがあると、満期時に、株価が行使価格100円を上回っていれば、市場で、売ったほうが高く売れるので、オプションは無価値であり、行使されない。
逆に、株価が行使価格100円未満であれば、オプションを行使すると市場価格よりも高い価格で株式を売却できるので、オプションは行使される。
このときプット・オプシヨンの買い手は「行使価格一市場価格」だけ利益を得る。
このように、プット・オプションの買い手の満期時の損益曲線は図151Bのようになる。
これはちょうど、コール・オプションの買い手の損益曲線と左右対称になっている。
これに対し、このプット・オプションの売り手の損益はどうなるであろうか。
満期時に、株価が行使価格を上回っていれば、オプションは行使されないので、売り手の損益はゼロになる。
もし、株価が行使価格100円未満であれば、オプションが行使され、売り手は「行使価格一市場価格」だけ損失となる。
このプット・オプシヨンの売り手の損益曲線は図151Cのようになり、プット・オプションの買い手の損益曲線とは上下対称、コール・オプションの売り手の損益曲線とは左右対称になっている。
図152には、株式の現物保有(ロング)と空売り(ショート)、債券(デフォルトなし)の現物保有(ロング)と空売り(ショート)の損益図も示した。
株式の価値は、当然のことながら原資産を株式とすると、株価の動きによって直線的に変化する。
デフォルトのない債券は株価の影響を受けず、フラットな直線になる。
このように株式や債券の損益図は本の直線で表される。
これに対し、損益図が、行使価格のところで折れ曲がった直線になるというのがオプションの特徴としてあげられる。
前節では、満期時のオプションの価格について説明したが、満期以前のコール・オプシヨンの価格は図153のようになる。
コール・オプションの場合、株価が行使価格を下回っている場合、オプションを行使するより市場価格で株式を購入したほうが有利なので、本質価値(満期時のオプション価値)はゼロであるが、将来の株価上昇の可能性を織り込んだ分の価格がつく。
これは時間価値と呼ばれる。
株価が行使価格を上回っている場合には、オプションを行使したほうが市場で株式を購入するよりも「株価一行使価格」だけ有利になり、これに将来の株価上昇の可能性を織り込んだ時間価値を加えて価格が形成される。
オプションの価値に影響を与える要因としては、以下のものがあげられる。
(1)原資産の価格原資産の価格が高ければ、原資産を一定の価格で買う権利であるコール・オプションの価値は高まり原資産を一定の価格で売る権利であるプット・オプションの価値は低下する。
(2)行使価格コール・オプションは原資産を買う権利なので、行使価格が高ければ、オプションの価値は低下する。
原資産を売る権利であるプット・オプションの場合は、逆に行使価格が高ければ、オプションの価値は高まる。
(3)原資産の価格変動性コール・オプションの場合、原資産の価格変動性がより高ければ、原資産の市場価格が高くなる可能性が高まるので、オプションの行使によってより多くの利益を得る機会が増える。
この場合には、原資産の市場価格が低くなる可能性も高まるが、原資産がいくら低くなっても、オプションの価値の下限はゼロである。
このように、コール・オプションの価格の動きは非対称であるため、原資産の価格変動性がより高ければ、コール・オプションの価値が高くなる。
プット・オプションの場合も、原資産の価格変動性が高まれば、原資産の価格が低下してプット・オプション行使の利益が増大する可能性が高まるの(4)満期までの期間満期までの期間がオプションの価値に与える影響は2つ考えられる。
まず、第に、満期までの期間がより長ければ、株価の変動によって、利益をあげる可能性がより高まるので、コール・オプシヨン、プット・オプションともより価値が高まる。
第2に、満期までの期間が長ければ、より後で同じ行使価格を払うことになるので、行使価格の現在価値がより小さくなる。
したがって、コール・オプシヨンの場合は価値を高め、プット・オプションの場合は価値を低下させる効果がある。
両方の効果を合わせて考えると、コール・オプシヨンの場合は、満期までの期聞が長いと価値が高まる。
プット・オプションの場合、通常、第1の効果のほうが大きいが、場合によっては、第2の効果のほうが大きくなり、満期までの期聞が長くなるとプット・オプションの価値が低下することもある(多くの教科書には、満期までの期間が長ければ、プット・オプションの価値が高まると記述されている)。
(5)金利金利が高ければ、行使価格の現在価値が低下するので、原資産を買う権利であるコール・オプションの場合、実質的に行使価格が低下し、価値が高くなる。
原資産を売る権利であるプット・オプションの場合、実質的に行使価格が低下するので、価値が低くなる。
(6)現金配当満期までの聞に現金配当がより多く支払われると、原資産の価格がより低下するので、買う権利であるコール・オプションの価値は低下し、売る権利であるプット・オプションの価格は上昇する。
の価値が低下する場合はーで示した。
2、2内部成長対外部成長。
通常の金融資産の理論価格は、その資産が将来生むキャッシュフローの期待値をその資産のリスクに見合った割引率で割り引いた現在価値になる。
しかし、オプションの理論価格を求めるためにこの方法を適用することは難しい。
というのは、オプションのリスクは、原資産の価格が変動したり時聞がたつと変動し、一定ではないので、割引率も変化すると考えられるからである。
このため、オプションの理論価格を求めるためには発想を変えて、オプシヨンと同じ損益をもたらすようなポジションを株式とキャッシュの貸し借りでつくり、そのポートフォリオの価値がオプションの理論価格になると考える。
簡単な例を用いて説明しよう。
今、ある株式の価格が1、000円で、図154のように1期後には、25%上昇して1、250円になるか、20%下落して800円になるとする。
この場合1期後に満期となる行使価格1、000円のコール・オプションの1期後の価値は次のようになる。
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